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私が『デスノート』を好きな理由。古畑任三郎と「L」に共通する魅力について

こんにちは、カムです。

私は漫画『デスノート』が大好きです。超有名漫画(アニメや映画で見た人も多いと思います)ですが、一応知らない人のために話の概要を説明すると、ある日名前を書くと人が死ぬノートを拾った高校生の夜神月(やがみライト)が、平和のために世界中の重犯罪者の名前をノートに書いて殺していき、それを阻止しようとする探偵・Lとの攻防を繰り広げるというもの。

設定だけ見ると、よくあるB級ホラーのようですね。でも『デスノート』のすごいところは、質の高い頭脳戦を主眼に置いた物語に昇華させている点です。B級ホラーだとノートの力を使って主人公が虐殺しているシーンをメインに描くように思うんですが、『デスノート』にはそういったシーンはなく、作中では淡々と月(ライト)による犯罪者の粛清が行われます。なので、グロテスクな話が苦手な人でも十分に楽しめると思います。

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『デスノート』の魅力の大部分は「L」にある

(画像は集英社HPより)

『デスノート』の主人公は月ですが、月を捕まえるために捜査を行う探偵・Lも同じくらい魅力的なキャラクターです。ダブル主人公ともいっていいくらいで、月よりもLのほうが好きという人も多いと思います(私も月がしだいに悪役っぽい雰囲気になる辺りからLのほうが好きになりました 笑)。

そんなLの魅力ですが、まずあげられるのはギャップ。

服装(いつも同じ地味なシャツとズボン)や伸ばしっぱなしの髪、しぐさなどから、一見だらしなさそうな人間のようですが、観察力や推理力は一級品。また強い正義感や仲間思いといった熱い一面もあり、本来ならこっちが主人公だよね…という性格。

さらには甘いものが好きでいつもお菓子などで糖分を摂取していたり、痩せているわりに運動能力が高かったりと、読者に興味を引かせるポイントが盛りだくさん。

対して月のほうは最初は好印象のキャラクターなのですが、話が進むごとに月の非情さや余裕のなさが垣間見えるようになり、悪い意味でのギャップが出てきてしまいます 笑

またLには、純粋に探偵としての魅力があります。私は、Lは「古畑任三郎」と同じタイプの探偵だと思っています。古畑任三郎は探偵ではなく警察官ですが、ドラマでは鋭い観察力と推理で犯人を追い詰めていきます。一見とぼけた顔をしながら、犯人の怪しいところを的確に突き、そこから得られた情報をもとに核心に迫っていくさまは、月の腹のうちを探るため月に対していろいろな質問をしているときのLと酷似しています。

推理力をテストするという名目で、犯人しか知りえないことを月にしゃべらせようとするL(画像は私が撮影したもの)。

『デスノート』と『古畑任三郎』はどちらも「倒叙」というミステリー手法を使っている

私は古畑任三郎を知ってから「なんだかLっぽいなぁ」とずっと思ってたのですが(私が古畑任三郎を観たのはここ最近の話)、調べてみると、『デスノート』と『古畑任三郎』はどちらも「倒叙」という手法を使った作品とのこと。

通常の推理小説では、まず犯行の結果のみが描かれ、探偵役の捜査によって犯人と犯行(トリック)を明らかにしていく。しかし倒叙形式では、初めに犯人を主軸に描写がなされ、読者は犯人と犯行過程がわかった上で物語が展開される。

Wikipedia「推理小説」のページから引用

このように倒叙というのは最初に犯人が読者に明らかになった状態で、探偵役の捜査が行われるスタイルの推理小説を指す言葉みたいです。

古畑任三郎はアメリカドラマ『刑事コロンボ』のオマージュともいわれており、『刑事コロンボ』もやはり倒叙の手法を使っています。デスノートがそれらの作品の影響を受けたのかはわかりませんが、こういった手法が昔から受け継がれているのは面白いですね。

個人的には普通の推理物よりも、犯人が最初にわかっている「倒叙」のほうが好きです。というのも、倒叙ミステリーのほうが探偵の推理力の高さがはっきり感じられるように思うからです。

通常の推理物では、犯人もトリックもわからないので、読者は探偵役と一緒に事件の謎を解いていくわけですが、この作業はけっこう面倒です。簡単に犯人がわかるようになっていたらそもそもミステリーとして成立しないので、大抵のミステリー作品では犯人の予想を難しくしています。でも、私はそんな難しいことを考えながら物語を見るのは抵抗がある……

かといって犯人が誰なのか、真相はなんなのかといったことをまったく考えていないと、探偵が謎を解き明かしたときに、その推理の筋道が立っているのかどうか判断できません。探偵の推理がいかに理路整然としているものかわからなければ、読者は探偵の頭脳のすごさを理解できず、読後感も微妙なものになってしまいます。

その点、『デスノート』や『古畑任三郎』のような倒叙ミステリーは親切です。最初に犯人がわかっているので、読者(観客)は犯人が誰なのかに頭を悩ませる必要がないですし、答えの出せない謎にいちいちモヤモヤすることもありません(そのストレスが終盤に一気に解放される点が通常の推理物の魅力なのだと思いますが)。しかも倒叙ミステリーは探偵役が「これはこうではないか?」と自論を述べたときに、それが正解なのか間違っているのかすぐにわかる利点があります。その推理が的確なら、「すごい、その通りだよ!」という感動が得られます。このようにストレスなく、すぐに探偵の推理に対して評価を下せる点が「倒叙」の魅力であり、『デスノート』や『古畑任三郎』の魅力だと思います。

倒叙によってLの推理が引き立つ

『デスノート』の話に戻りますが、Lの推理は的確過ぎます。夜神月があえて情報を渡していたというのもありますが、それを抜きにしてもLは核心に迫るのが早い。

そのため、『デスノート』では物語が急ピッチに進みます。漫画によっては1巻かけてすることを、1話で終わらせたりします。引き延ばし漫画が多い昨今では、とても嬉しい特徴ですね。人気ジャンプ作品としては珍しく、たった12巻(文庫は7巻)で終わっているのも、すべてはLの頭が良すぎるせいです 笑

倒叙の魅力は「探偵のすごさが実感しやすいこと」と先に書きましたが、『デスノート』はその利点を凝縮したような漫画です。なにしろ短期間でどんどん月の居場所や死のノートの法則を見破ってしまうので、読者は月という主人公を通して、立て続けにLという探偵のすごみを知ることができます。もしこれが倒叙ではなく通常の推理物として描かれていた場合、たぶんLのすごさはもっと伝わりにくかったんじゃないかと思います。Lが次々謎を解明していく様子が、嘘っぽいというか、ご都合主義のように見えるんじゃないかな……

終わりに

今回は私の好きな漫画を紹介させていただきました!倒叙の手法を使った物語はほかにもいろいろあると思うので、機会があればチェックしてみようと思います。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

コメント

  1. Vermilon Swan より:

    倒叙ミステリーでは「クロイドン発12時30分」(F・W・クロフツ)が好きですけど戦間期の1932年作の作品とは思えないほど新鮮(笑)です!

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